今回は、風俗店のスタッフとして働く際に避けて通れない「キャストのメンタルケア」について取り上げます。風俗店のキャストは、さまざまな場面で強いストレスを感じることがあり、それが原因でメンタルが不調になってしまう……いわゆる「病む」というケースが多々見られます。 具体的にはどんな場面でストレスを感じ、病んでしまうのでしょうか。そしてそんなとき、スタッフとしては何をしてあげることができるでしょうか。
キャストはなぜ「病む」のか?
まずは、そもそも風俗のキャストがなぜ病んでしまうのか、どんなことにストレスを感じてメンタルの調子を崩してしまうのか……その原因についてまとめていきましょう。
仕事の内容や男性客にストレスを感じる
何といってもいちばん大きいのは、仕事の内容に対するストレスです。
風俗のキャストとして働くことができない男性はなかなか想像しづらいところがありますが、自分の性をいわば売り物にするというのは、そもそも心身に大きな負荷がかかるものです。
罪悪感もあるでしょうし、「好きでもない相手にこんなことをしなきゃいけない」という思いもあるでしょう。また、サービスの内容によっては(たとえばSM系のプレイなど)体力的につらかったり、屈辱を感じることもあったりして気持ちが落ち込んでしまいがちです。
そしてさらに、キャストの心や体を気遣ってくれる紳士的なお客様ばかりなら良いのですが、なかなかそういうわけにもいきません。
風俗店を利用する男性の中には、キャストを人間的に下に見て乱暴な物言いをしたり、自分の性的欲求をゴリ押ししてきたり、はたまたルールを無視してサービス外の行為を強要してきたり……という人も少なからず存在します。
そういう男性客の相手が続いてしまうと、キャストはより大きなストレスを感じることになるわけです。
お店の環境にストレスを感じる
「お店の待遇が良くない」「他のキャストとの人間関係がうまくいかない」「スタッフと反りが合わない」など、お店の環境がキャストにストレスを与えるケースも少なくありません。
たとえば、最近ではキャストが1人ずつパーテーションなどで仕切られた個別のスペースを持てるお店があったり、「待機中は近所のネットカフェで過ごして良いよ」というお店もあったりするのですが、中には大部屋で集団待機するのが基本のお店もあります。
そのような環境では、「大声で喋っている女の子たちがいて静かに休めない」とか、「客に対するエグい悪口を聞かされて気分が悪くなる」とか、「女の子同士の派閥が出来上がっていてイジワルされる」といったことで悩むキャストが少なからずいます。
また、「偉そうなスタッフにやたらと説教される」「スタッフがミスしたくせにこっちに責任転嫁してくる」「嫌な客がいたのでNGにしてほしいのに『稼ぎたいなら頑張れ』といわれる」など、スタッフの対応に不満を感じてストレスになるというケースもあるようです。
もともとメンヘラ気質である
風俗店で働くキャストの中には、もともとちょっとしたことでメンタルの調子を崩しやすい「メンヘラ気質」の女性が少なくありません。
「メンヘラ」とは、「メンタルヘルス(心の健康)に不安がある」ということを意味する造語です。そしてメンヘラ気質の女性は、毎朝決まった時間に出社し、社内の人間関係にも気を配りつつ与えられた仕事をこなし、さらにスキルアップにも努め……ということが求められる一般社会にはうまく適応できず、シフトが自由で体ひとつで働ける風俗業界に流れ着いてくるケースが多いのです。
そのような女性はそもそもストレスを感じやすく、「ちょっとしたミスで注意された」とか、「指名されなくてお茶引きばかり」といったことですぐにメンタルが不調になる傾向にあります。
メンタルサポートの方法とは?
上記のようなキャストが病む理由のうち、特に「もともとメンヘラ気質である」という場合は、メンタルヘルスの専門家ではない風俗スタッフには対処が難しいこともあります。
しかし、その他の「仕事の内容や男性客にストレスを感じる」「お店の環境にストレスを感じる」も含め、何も対処ができないわけではありません。
では、具体的にはどんなサポートをすることができるでしょうか。
こまめに悩みを聞いて対処する
いちばん重要なのは、普段からしっかりとコミュニケーションを取ることです。
過度なストレスなどによってメンタルが完全に壊れてしまったあとでは、何かしようとしたところで「後の祭り」というやつで、どうしようもありません。
そうならないように、普段から十分なサポートをするためにコミュニケーションをしっかり取るわけです。
具体的には、「最近悩んでいることはないですか?」などヒアリングすることが有効です。
キャストとして働く女性の中には、たとえば男性客との間でトラブルがあった場合も、誰にも相談できずにひとりで悩んでしまう……という人が少なからずいます。
それに気づかないまま放置してしまうと、人知れずメンタルの調子を崩してしまい、やがてシフトを入れているのに出勤しなくなって、確認の連絡をしてみたら着信拒否になっていて、以後のゆくえが知れない……みたいなことになってしまうケースがあるのです。
そのようなことを防ぐために、こまめなヒアリングを行うわけです。
そのうえで、彼女のストレスを軽減するためにできることがあれば、積極的に行動していく必要があります。
たとえば、接客するたびにしつこく本番行為をしてきたり、連絡先を聞いてきたりする男性客の存在にストレスを感じているという場合、該当する男性客を「指名NG(二度とそのキャストを指名できない)」に指定したり、ルール違反が度を越している場合は「出禁(二度とお店を利用できない)」にしたり……といった対処をしていきましょう。
また、お店の環境や待遇にストレスを感じている場合は、上層部に掛け合って「個室待機」のシステムを導入するなどして対処していきましょう。
「目標設定」について話し合う
キャストとコミュニケーションを取る中で、「目標設定」について話し合うのも有効です。
特に、風俗のようなただでさえ心身に負担がかかる仕事を、目標もなく漫然と行っていると、ストレスが直接ダメージになってしまいがちです。
しかし一方で、「●月までに●万円貯める」などの目標を設定したうえで仕事をすることで、モチベーションが上がり、メンタルの調子を崩しにくくなります。
モチベーションが上がれば接客にもハリが出てくるでしょうし、お客様も喜び、お店の売上も上がる……という感じで良い連鎖反応が期待できます。
まとめ
今回は、風俗のキャストが病む理由や、それに対するスタッフの対処方法についてまとめてみました。
キャストにとっては、そもそも仕事の内容が心身ともにストレスをもたらすものであったり、質の悪い男性客の存在がストレスになったり、はたまたお店の環境や人間関係がストレスになったりすることがあります。
結果的にメンタルの調子を崩して、サービスの質が低下したり、辞めてしまったりすることもあり、お店にとっては損失以外の何ものでもありません。
そんな中でスタッフができる対処方法としては、
・こまめに「悩みはないか」などヒアリングをする
・対処できることは積極的に行っていく
・目標を設定させ、モチベーションを上げる
といったことが挙げられます。
お店の質を保ち、売上を維持し、あるいは向上させるためにも、ぜひ心がけていきましょう!
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